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〝真〟MonsterRaper
第8章 お嬢様は無理難題をおっしゃる
ダーベラ達は、傷ついた者同士を介抱しアルラウネの探索を続けた。
戦いを継続しない以上、双方争わないことで合意した。




「とうとう見つけたぞ。 アルラウネ……」

土手山は偵察だけのつもりが、発見したアルラウネに声をかけてしまった。
感極まってしまった。

戦うだけのために生まれた生命体を前にして…

アルラウネは触手で巨大なモンスターを絞首刑にしていた。
ハンター、ポーチャーが目指す、頂点的な獲物――

ベヒーモスであった。
地上でベヒーモスに勝てる生物はいないとさえ言われている。
生きて捕獲すれば、ラミアやハーピーを超えた破格の賞金が与えられるモンスターである。
道中、さまざまな亜人、モンスターの屍骸を見てきた。
新鮮な骸だ。

もし、アルラウネが単体でいるだけなら土手山は声をかけなかったであろう。

「BCW…アルラウネ……」

土手山はアルラウネに近づいていった。
神を前にした信者のように。

「運命を感じたんだ…貴女がユグドラシルに放たれたと聞いたとき…貴女を倒す不可能なオファーがあった時に…」

土手山は、目の前の草の女神に手を差し伸べた。

「一緒に平和ボケした日本で内乱を起こさないか…」


アルラウネは土手山に視線を合わせ、ベヒーモスをゴミのように投げ捨てた。

「私が欲しいですって……?」

アルラウネの眼光が鋭く白光を帯びた気がした。

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