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〝真〟MonsterRaper
第8章 お嬢様は無理難題をおっしゃる
「自由さ!」

土手山はアグニを地に向けた。
ノズルコントロール…銃口を下に向けること、垂直にすることで弾丸が暴発しても跳弾は最小限ですむ。

「自由であるがために生きる目的がない。
不自由なるがゆえに、BCWには生きる目的がある……」

アルラウネは天に目を向けて言った。


「アルラウネ…お前は生涯にわたって生きることができるんだ」

土手山は一歩BCWに近づいた。

「はぁぁぁ…一生生きる?」

アルラウネは視線を人間に戻した。

「死ねないということは生物上……死すべきものだけが持ちうる特権がないということだ…。
子を残すこと…死すべき定めのものが神に与えられた崇高な使命だ…。
私には…私にはそれこそ…種族として不死であると思う…」

土手山は、説得は不可能なのかと考えた。
これがAIなのか?
アルラウネの言葉から神という単語がでると思っていなかった。

恐らくベヒーモスからBCWを襲ったのだろう。
書物ではベヒーモスは大地の精であり、上級の精霊とされる。
日本では、凶暴な牛狼との印象が強い

アルラウネを倒すのは、弱点を考えれば不可能ではない。
しかしながら、この樹海で生きるものがアルラウネを倒す…
いや、BCWを倒すことは不可能である。

今、ベヒーモスの骸が転がったことで完全に証明された。


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