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〝真〟MonsterRaper
第5章 英雄の条件
「貴様……自衛隊の隊員なのか?」

彼女は、ポーションと呼んだ瓶を、もう一本取り出した。

「飲むんだ。失った血になる」

「血は人口ではつくれない」

「このイザナミから抽出した命の水は全ての細胞を再生できる。いいから飲むんだ」

俺は瓶を受け取って飲んだ。
本当に体の底から生命力がみなぎってくる。

「私は、ただサソリを狩りに来た者だよ」

「狩りで、対BCW弾は存在しない。その弾丸は硫酸だ」

「ほぅ、いいだろう。私は特殊部隊イノセンスのゼロフォーだ。このBCWを回収にきた」

「イノセンス…強化バイオロイドか?」

「そうだ。…BCWが逃げ出してしまってな」

「…犠牲者は多いぞ。どうするんだ?」

「守秘義務違反は殺す…だろ?石田尚樹」

「亜人やモンスターなら殺していいのか!?」

「私は回収に来ただけだ。コイツも最新鋭戦闘機並みの価格なのでな」

「か、勝手すぎる…こんなことって」

「それ以上、能書きを言うなら殺す」

「バイオロイドは人間を殺せない」

「バカだなぁ。そんなリミッターは解除できるんだよ」

チャッと銃口を向けてきた。
照準は俺の頭上にある岩だ。
崩れ落ちれば死ぬ。
間接的に殺すわけだ。
この時、体の痛みが消え、キズが修復しているのがわかった。
えぐれた皮膚まで綺麗に元どうりになっている。

「石田尚樹……面白いな…純血の人間ではない。鬼との傍系か…代々家系は軍人」

「バイオロイドにそこまで情報を渡すとは」

「とにかく、これからBCWを回収に自衛隊の者が来る。姿は見られんことだな」

サッと身を翻す。
無駄のない動き…。
だが、彼女には生命力もゴースト的な霊的な感触もない。
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