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4+1 刺激的な存在
第8章 4人
「ああっ!かずっ!イイっ!」

俺は、好きでもない女の上で腰をふっている。


好きな女と好きでもない女を重ねてしまう。

「…っく!」

好みの服を着せ、好みのメイクをしてもらう。
少しでも似ていて欲しい。
そんな欲望がとまらないのだ。
そんな、欲望を偽者の彼女に放つ。

「あぁん!かずぅ…イク!いくっ!」

鬱憤と欲望をぶちまけた後は、すぐシャワーを浴び、帰宅の準備にとりかかる。

「ねー。今日も一緒にいてくれないの?
 また、違う女のとこ?」

「違うよ。明日早いから帰るだけ。
 自分家からの方が会社近いからだよ。」

「んじゃ、あたしも、和樹の家に行くー♪」

「いや、今日は帰ろう。
 足りないくらいがちょうどいいよ。
 送って行くから。」

女をなだめ、帰らせる。

女は、メイクで変われる。
いいもんだな。


前に、淳子さんに言われた。

「なんで、和は、似たようなメイクばかりさせるの?
 もっと、1人ひとりの女の子を引き立たせてあげなくちゃ、ダメよ。」

俺は、必要ない。
そう答える。

そう。全てはあの彼女に似せる為なのだから。

昔を思い出す。
いきなりの別れを告げられた日。

ーもう会わない方がお互いのため。ー

俺は理解できなかった。
彼女に好きな男でも出来たと思っていた。
付き合ってもいない2人の関係なんぞ、すぐに崩れていく。
繋がるものなど何もない。
そんな彼女が大好きだった。

あれから、何人の女と寝ただろう。
彼女の代わりを求めて。

好きだと泣きつかれても、執拗に誘ってきても見向きもしなかった。

ある日、ある会社の社員と合コンに誘われた。
「和樹がいるだけで、女子は喜ぶんだって!
 な?!頼むよ!
 エリート女子だぞ!それなりに教養もある!」

「エリート女子?どこの会社?」

「朝霧株式会社だよ!
 大手だぞ!商品開発部もいる!
 お前にとっても、いいんじゃないのか!社長!」

「んー。行くわ。」

彼女がいる会社だ。



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