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4+1 刺激的な存在
第15章 始めから築く
「今日は、早く仕事終わらせるから、少しくつろいで待っててくれるかな?この部屋は、好きに使っていいから。」

大きなデスクに座り、パソコンに向かう和樹。
今まで感じたことのない気持ちが溢れだす。
この人を支えたい。正直にそう思った。

この会社を社員をこの背中に背負っていると思うと、すぐに抱きしめて、ずっとそばで支えたいと伝えたい。
その気持ちをグッとこらえる。

「…先輩…。そんなに見つめられると、先輩のことしか考えらんないんだけど…。」

「わわ!ごめんなさい!邪魔しません!見つめたりもしませんから!」

「ふふ!もう少しで終わるからね?いい子にして待っててね?」

優しく私に微笑むと仕事に取りかかる。
周りを見渡すと、綺麗に片付けられている。
前に秘書はいないと言っていたが、本当だろうか。

インスタントのドリップコーヒーが目につく。
淹れてあげようかな…。
お湯を沸かし、カップを二つセットする。

「ん…いい香り…。和樹にも…。」

ーカチャ…ー

「んんー。いい香りー!ありがとう!さすが先輩だぁ。」

「勝手に使ってごめんね。二人分淹れちゃった!」

ーちゅー

頬に和樹の唇が触れる。

「本当にありがとう。俺すげー幸せ。」

パソコンに向かう和樹は、メガネをかけている。
すごく知的に見える。昔は、スポーツマンだったことを忘れてしまうくらい。

「和樹…すごくかっこいいよ。」

「え?…先輩…。反則でしょ…。ヤバいから…。」

ーグイッ!ー

「もー。少し休憩。」

和樹に抱きしめられ、心が温かくなった。
鼓動が聞こえる。少し速い。

「先輩…もう…どこにも行かないで。大好きだから。」

「和樹…。どこにもいかないよ?」

「ん……絶対。俺と結婚も考えてくれる…?」

今にも消えそうな声。

「もちろん…!私でいいの?」
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