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ジャスミンの芳香~悦楽エステ令嬢~
第2章 触覚の虜囚
膝を越え、筋量の多い大腿部へマッサージが及ぶ。
スミカの手技が更に、冴え渡る。

細やかなタッチと大胆な手圧に
更にメリハリを効かせてくる。

体感した。

全身の血行がすべて、健やかになっていく。
すべて つながった。

得も言われぬ感動があった。

「繋がった……!
ありがとう、ありがとう」

無意識に口走っていた。
まだ済んでもいないのに、感謝していた。

もう、尊敬するしかない。
君は、マッサージの女神だ。

温かな手が
俺の下肢を揉みほぐし、昇ってくる。

いつの間にかスミカは
かなり、身を乗り出していた。

近づいていた。

集中している。
集中して手腕を、ふるっている。

整った薄茶の前髪が
ぬるい闇のなかで、揺れている。

その下で
爛々(らんらん)と輝く、瞳

野生の獣のような
凄艶な目つき

狩猟者(ハンター)の 眼

見えた……真実が見えた。
ベッドの上の闇で、喰らいつく
俺の肉に喰らいつく 若い女の正体

俺の体は、にわかに脈打っていた。

* * *
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