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ジャスミンの芳香~悦楽エステ令嬢~
第4章 白い香り
* * *

「顔、洗っておいで」

スミカは緩々と立ち上がった。
全裸同然の姿でバスルームに向かう。

俺は柔らかいベッドに仰向けになった。

オイルの香料は濃密に
辺りを包んだままだ。

……最高の放出感だった。

生理機能は愚直に機能する。
勃起していたものは治まっていく。

だが、まだ余韻に浸る気にならない。
出し切っていないからだ。

俺も起き上がり、ベッドから降りた。

体が軽い。

この部屋の中で
活力は、無限に湧いてくるようだ。

スミカを追って バスルームに這入る。


簡単に洗顔したばかりのようだ。
俺に気付くと無造作に振り返る。

造り物の様な顔。
一点の曇りもない印象だった顔。

それが今、ところどころに
綻(ほころ)びが見える。

付け睫毛(まつげ)を外している。
清楚な前髪は、濡れて貼り付いている。

全身は
アプリコットの照明の下で
水滴を弾き、柔らかく輝いている。

生々しくもあり、リアルだ。
同時に無機的な雰囲気もあった。
タイルと合成樹脂ばかりの室内に
溶けこんでしまうような。

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