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ジャスミンの芳香~悦楽エステ令嬢~
第1章 透明(クリア)な疑惑
腰に続いて、臀部、太腿と、下半身へのマッサージを受けた。

凝っているのは背中、そう思い込んでいた。
事実、背中への手圧は格別に効いた。

だが、腰まわりから尾てい骨にかけて……
更に筋量の多い大臀部、大腿部……

手圧が及んでいくにつれて、認識が改まった。
背中に勝るともおとらない
心地よい痛みが、どこまでも続いていく。

神経のつながりが、脳裏に浮かんでくる。
経絡図だ。

疲労の根が、そこまで俺を蝕んでいたのか……
それも驚きだし、それが、今
こうして癒されていくのも、感動だ。

今回、性感マッサージを選んだのは正解だった。
身体が、求めていたのだ。

スミカの手先は一切疲れを感じさせない。
的確な癒し手が、俺をほぐし続けていた。

彼女に対する心象は、悪い。
だから機械的な印象は、まだ拭えない。
まだ、認めない。

認めないが、俺の身体から疲れが癒えていく
この、肉体の悦びは、紛れもない。

「では、仰向けになさってください」

スミカは、ホットジェルマスクを用意した。
目が疲れていることを伝えたからだろう。

俺の側に来るとき、ほんの一瞬
スミカの瞳が悪戯っぽく輝いたように見えた。
たぶん気のせいだろう。

「失礼します」

天井を向いた俺の目元は、覆い隠された。
視界が塞がる直前、豊かなビキニの膨らみが
またも目蓋に焼きついた。

* * *
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