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ジャスミンの芳香~悦楽エステ令嬢~
第5章 SUMIKA
不意に、スミカの上体が翻った。

バシッ、っと

俺の顔面に衝撃が走った。

頬が熱くなる。


呆気にとられて スミカの方へ向き直った。

振り向きざまに平手打ちされたのだ。


「……?」

頬の痛みで、身体が更にカッとなる。

……完全に篭絡した積もりだったのに
俺の愛撫に
身を委ね 発情しきっていたハズなのに

手ごたえは充分にあった
あとは、性器でつながっていくだけ
そして思うままに貪れる
そう信じきっていたのに


「調子に乗らないでください」

恐慌(パニック)に陥った俺に
追い討ちをかけるように
スミカが言い放つ。
 

無機質で 冷え切った 言葉

きっぱりと 拒絶された

余りにも不自然で


蝋燭の灯りで仄かに照らされた室内

花の香り 妖しく甘い香り

柔らかい 半裸の肉体

俺の虜(とりこ)にできたと 確信していた


全てのムードが揃っていた
その空間で

スミカの言葉だけが 態度だけが
異質だった。

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