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彼依存
第11章 記憶の一部



家の門をくぐり抜け
噴水の横を通り抜けた時
お父さんの表情が変わる。
立ち止まり私の手を掴み駆け出した…



「おかえりっ」



瞬時に頭を過ったのは
お父さんの子供。



「た、ただい…ま」



ばつ悪そうに顔をさげ
私から目を反らした彼は
大きな荷物を手に取り
踵を返してしまう。



「邪魔…だよね?」



嗚呼、私が居るからだ…
子供でもわかる。
自分のお父さんが連れ子と仲良くしてれば
ヤキモチ位妬くだろうって…
私だってきっとそう思う。



「馬鹿な事を言うな
ほら、中に入って話をしよう」



明るく振る舞うお父さんを他所に
彼は浮かない表情のまま
私を一瞥すると足早に屋敷へと入った。
私より背の高い彼は
何故だか私より小さく見えたの。




その日が私に兄ができた日…







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