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彼女は思い通りにいかない
第6章 目障りな男
その公園は木々で囲まれたような造りになっていて、道路からは中が見えにくいようになっている。
昼間は変質者対策として役立っている木々だったが、夜は逆に女の子が危ない目に会うことの多い場所になっていた。

公園の入り口を抜け、あまり人目につかなさそうな場所を探す。

時折耳をすませると、静かな公園で人の話し声のような音が聞こえた。

「あの、た、田中くん…っ」

「志織寒くない?だからホテル行こうって言ったのに」

「や、で、でも…」

徐々に聞こえてくる声と話。

おいおい。
めちゃめちゃ嫌がってんだろうが。

「まだあいつの方がいいの?そんなにエッチが良かった?」

「や、えっと、その…」

「俺もそれなりに女の子の悦ばせ方は知ってるよ?お試しにさ、ね?」

「ビールの試飲じゃねえんだよ。お試しなんかあるか」

二人が座っていたベンチの上からそう言い放つと、俺は志織を立たせ自分の方に引き寄せた。

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