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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第2章 家出
 芳華が投げやりに返すと、文昭は信じられないといった表情で首を振る。
「お父さまが私を皇帝陛下に嫁がせたいのは、今の宰相としてのご自分の地位と権力をますます強固なものになさりたいからでしょう。そのくらいのことは私にも判ります」
 芳華は父にならって大きな溜息をわざとらしくついてから、キッと父を見据えた。
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