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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第2章 家出
「なっ、なっ、何を馬鹿なことを言っているのだ。そなたの気持ちを尊重して、私もこれまでは待った。本来であれば、陛下が皇太子であられたときにそなたは妃となるべきはずであったものを、特別のお計らいにて今日まで嫁ぐのを待って下されたのは陛下の寛大なる御心があったればこそ。しかし、かといって、これ以上、最早、入内を引き延ばすことはできぬ。現に、曺将軍の次女が妃候補に名乗りを上げている。このままうかうかと手をこまねいていては、あちらに先を越されてしまう」