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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第2章 家出
若き皇帝が側近に抜擢したのは皆、古くからの名門郁氏や曺氏とは比べるべくもない中流貴族、或いは没落した名家の者たちばかりであった。
言いなりにならない皇帝に対して、文昭も陽丹も強い警戒心と危機感を憶えたのは当然である。暗殺という手段も考えないではないが、現皇帝はまだ一人の妃も持たず、従って御子もいない。また先帝が虚弱であったため、皇帝には異腹の姉が一人いるだけだ。この皇女、平安公主は皇帝の生母楊皇后亡き後に皇后に立てられた黄皇后の所生である。
言いなりにならない皇帝に対して、文昭も陽丹も強い警戒心と危機感を憶えたのは当然である。暗殺という手段も考えないではないが、現皇帝はまだ一人の妃も持たず、従って御子もいない。また先帝が虚弱であったため、皇帝には異腹の姉が一人いるだけだ。この皇女、平安公主は皇帝の生母楊皇后亡き後に皇后に立てられた黄皇后の所生である。