この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第5章 別離と再会
何故なの、法明、どうして、私を助けてくれないの? 芳華は哀しい想いで法明を見つめた。それとも、彼は本当に怖くなってしまったのだろうか。天下の宰相を相手にして、ただの小間物売りが敵うわけがない。だから、早々に諦めて芳華を見限った?
絶望で眼の前が白くなる。涙の幕で大好きな法明の綺麗な顔がぼやけて見えなくなる。
「法明ーっ」
それでも芳華は手を伸ばした。彼がこの手を取ってくれることを、彼が自分を奪って共に逃げてくれることを最後まで望んでいた。
絶望で眼の前が白くなる。涙の幕で大好きな法明の綺麗な顔がぼやけて見えなくなる。
「法明ーっ」
それでも芳華は手を伸ばした。彼がこの手を取ってくれることを、彼が自分を奪って共に逃げてくれることを最後まで望んでいた。