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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第5章 別離と再会
 その翌日、芳華の身柄は宰相郁文昭の屋敷から輿で皇帝の住まう宮殿に送り届けられた。が、それは貴妃という高貴な女人の宮廷入りというよりは、さながら虜囚の護送かと思ってしまうほどに物々しい武装した兵たちで周囲を囲まれていた。
 芳華が一度後宮から脱走した経緯を考えれば、文昭がそこまで気を遣うのも道理である。入内してまもない貴妃が後宮から失踪などと公にはできず、郁貴妃は慣れない宮廷生活で体調を崩して実家で静養と発表されていた。
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