この作品は18歳未満閲覧禁止です
後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第5章 別離と再会
だから、父はわざと自分たちを放っておいた。何もせずとも、芳華は父の決めた相手を自分の運命の男だと信じて愛したのだ。その上、目論見どおり、皇帝の御子を懐妊した。これまでよくぞ探索されなかったものだと思っていたけれど、それは芳華が裏事情を知らないだけだった。
すべては父の描いた筋書きどおりに運んだ。後宮を出て自分の人生を生きていると信じ込んでいたのに、その実、父の手のひらで踊らされていたにすぎない。