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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第5章 別離と再会
つまりはいずれ宮殿に戻る日が来ることは覚悟していたということだ。文法明として芳華の前に存在するのにも限りがあると法明なりに考えていたのだろう。
皇帝の嫡子として生まれ、生まれたそのときから、将来は皇帝になるべく育てられた法明。継母に幾度も毒殺されかけ、生命の危機を乗り越えてきた。その肩には背負いきれないほど多くの重いものを背負って生きてきたのだ。それはこの操という国そのものであり、この国で暮らすあまたの民草だった。
皇帝の嫡子として生まれ、生まれたそのときから、将来は皇帝になるべく育てられた法明。継母に幾度も毒殺されかけ、生命の危機を乗り越えてきた。その肩には背負いきれないほど多くの重いものを背負って生きてきたのだ。それはこの操という国そのものであり、この国で暮らすあまたの民草だった。