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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第5章 別離と再会
「文法明としてそなたと祝言を挙げた翌朝、私は婚姻の誓いとして、そなたに鳳簪を贈った」
「鳳簪といっても、あれは紛い物だと」
法明自身がそう教えたのではなかったか。法明は芳華の言わんとしたことを見透かしたかのように、したり顔で頷いた。
「紛いものであるかどうかなぞ、この際、些細なことなのだ。大切なのは皇帝たる私がそなたに簪を贈ったという事実。あの簪を受け取った時、そなたは朕の妻、唯一の后となった」