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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第6章 真実を知る瞬間

石造りの四阿は、奥に張り出た部分があり、椅子となって腰掛ける趣向だ。その場所から、真正面に庭が広く臨めた。いつ誰が訪れても良いように錦の分厚い座布団(クツシヨン)が幾つか用意されている。芳華はその一つに座った。
風が牡丹の園に吹き渡ると、重たげな大輪の花たちがかすかに揺れる。そんな美しい春の眺めを愉しんでいると、気の利く凜鈴が傍らから控えめに言った。
「少しお身体を動かされたので、咽がお渇きになっているのではありませんか? 冷たくした石榴茶をここにお持ち致しましょう」
風が牡丹の園に吹き渡ると、重たげな大輪の花たちがかすかに揺れる。そんな美しい春の眺めを愉しんでいると、気の利く凜鈴が傍らから控えめに言った。
「少しお身体を動かされたので、咽がお渇きになっているのではありませんか? 冷たくした石榴茶をここにお持ち致しましょう」

