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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第6章 真実を知る瞬間
「そのとおり。ですから、陛下にとって、泰山木の簪は特別なものなのです。ご幼少の頃から、ずっとご両親のような熱烈な恋愛結婚に憧れておられましたから。幼かった陛下が私にも何度か、泰山木の簪を贈るような姫にめぐり逢いたいと仰せだった。当時、皇太子殿下であられた陛下とあなたの婚約は決まっていましたから、婚約者の父としては複雑な心境でしたが、あの頃はまだ陛下もおん幼く、私が許婚の父親であるからとまでは考えが回らなかったのでしょうね。十歳を過ぎる頃にはもう、私にそのような話は一切されなくなった。私は内心、陛下にそのような娘の現れぬことを願っていましたがね」
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