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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第9章 後宮艶夜*スキャンダル Prologue~幼い記憶~
事実、鵬貞は自分に足りないものをちゃんと自覚していた。物心ついた頃から学問にも人一倍励み、身体を鍛えてきたつもりだ。もちろん、侍医に無理は禁物と釘を刺されていたから、身体に負担のかからない範囲で鍛錬を欠かさなかった。
―誰にも恥じないような一人前の男になりたい。
その想いはひとえに、誰もが憧れ羨む妻紫蘭(しらん)にふさわしい男になりたいという願いからくるものだった。