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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第9章 後宮艶夜*スキャンダル Prologue~幼い記憶~
紫蘭は愕いて翠容の顔を見た。翠容は真っすぐ紫蘭の顔を見返しながら頷いた。
「陛下が急に熱を出されたのもお身体の弱い陛下を寒い日に外にお連れした皇后さまのせいだと―」
「それで、皇太后さまがお怒りになられているのね」
元々、皇太后は紫蘭を嫌っていた。紫蘭の父曺宗典(そうてん)はこの操帝国の軍部の頂点に立つ大将軍という要職にある。曺氏は操国建国以来の名門であり、紫蘭の父だけでなく、祖父や曾祖父も代々将軍位を務めてきた。
「陛下が急に熱を出されたのもお身体の弱い陛下を寒い日に外にお連れした皇后さまのせいだと―」
「それで、皇太后さまがお怒りになられているのね」
元々、皇太后は紫蘭を嫌っていた。紫蘭の父曺宗典(そうてん)はこの操帝国の軍部の頂点に立つ大将軍という要職にある。曺氏は操国建国以来の名門であり、紫蘭の父だけでなく、祖父や曾祖父も代々将軍位を務めてきた。