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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第10章 後宮艶夜*スキャンダル  深き眠りの底で~浄心院での日々~
 幼い頃から、彼は常に大人の眼を意識していた。異母姉妹はたくさんいたが、異母弟はたった二人だけだった。その中の一人、第二皇子は彼がまだ五歳のときに亡くなった。当時一つ下の四歳だったと思う。
―良いか、努めて目立ってはならぬ。さもなくば、そなたも第二皇子と同様に殺される。
 そう言ったのは他でもないこの祖母だった。祖母は怖ろしいことを幼い彼にさらりと言った。第二皇子を殺害したのは彼らにとっては義母になる皇后だと。
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