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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
けれど、どの子もけして望んだわけではなかった。皇帝として後嗣を作るのが務めと己れに言い聞かせ、ただ機械的に女たちを抱いた。いわば自分は皇帝という種馬になっただけだった。三十年の生涯で初めて、その女の生んだ我が子を見てみたいと思った。紫蘭によく似た美しい女の子をこの手に抱いてみたいと。
俺はどうすれば良いんだ―。鵬純は握りしめた拳に力を込めて唇を噛みしめるしかなかった。