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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
光徳帝と共に同じ寝台で眠った紫蘭は、むろん後宮の寝所に入ったことはある。もっとも、それも数えるほどにしかすぎないが。長い廊下を歩く途中、紫蘭はこの果てしなく続く道が永遠に途切れることなければ良いのにと願った。
殿舎を出て庭を望む吹き抜けの回廊を大勢の宮女や女官、宦官に囲まれて進む。その日は美しい満月が蒼褪めた光を庭園に投げかけ、花も樹も石もすべてが月光に照らされて幻想的に見えた。泉水は清らかな水に月の光を映して輝いている。
殿舎を出て庭を望む吹き抜けの回廊を大勢の宮女や女官、宦官に囲まれて進む。その日は美しい満月が蒼褪めた光を庭園に投げかけ、花も樹も石もすべてが月光に照らされて幻想的に見えた。泉水は清らかな水に月の光を映して輝いている。