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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
こんな男の子を産むなんて、冗談ではないし、紫蘭は触れられるつもりもないのだ。恐らく自分の生命も今宵限りで終わる。これから自分はそれだけの大それたことをしでかそうとしているのだ。何故か寝所に入る前、一瞬、瞼に浮かんだのはあの男―牡丹園で出逢った不思議な男だった。
漆黒の夜を閉じ込めた深い瞳を持つあの男に見つめられると、心がざわめく。そのざわめきの正体が何であるか、知りたかったような知らなくて良かったような、何とも心許ない気持ちだった。
漆黒の夜を閉じ込めた深い瞳を持つあの男に見つめられると、心がざわめく。そのざわめきの正体が何であるか、知りたかったような知らなくて良かったような、何とも心許ない気持ちだった。