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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
 そこに降って湧いたように先帝の皇后であった紫蘭が入内した。先帝の皇后という立場はともかく、紫蘭自身は国母としてこれほどふさわしい女性はないほどの人柄だ。思慮深く貞淑で皇后としての徳を十分に備えている。およそ苑貴妃など足許にも寄れない。また実家の曺家は代々、大将軍を務めてきた名門だ。
 徳治帝自身も紫蘭の立后を熱心に望んだ。すべて条件は揃っていたが、皇子の生母である苑貴妃が猛反対をしたため、伸び伸びになっていたという裏事情があった。
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