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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第12章 後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~ 二代后
「やっと紫蘭が笑った」
 しばらく同じ科白を繰り返していた皇帝がふと動きを止めた。二人はそのままの体勢でしばらく見つめ合った。
 やがて皇帝の精悍な面がゆっくりと近づいてきて、紫蘭はそっと眼を閉じた。唇に口づけられるのかと思いきや、皇帝は意外にも額に軽く触れる程度の口づけを落とすと、壊れ物を扱うような仕種で紫蘭を下に降ろした。
 その時点で、既に気の利く宮女たちは室外に出て、広い部屋は夫婦二人きりになっていた。    
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