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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第12章 後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~ 二代后
あのときは愚かな自分はその感情の揺れが何なのか判らなかった。けれど、今なら、はっきりと応えられる。あれは、たぶん、恋。出逢ったあの瞬間、紫蘭は徳治帝に恋をしたのだ。前夫光徳帝に抱いていた穏やかな感情は例えるなら、弟や家族に対するものに近い親愛の情。二人の良人に対する想いははっきりと違う。
けれど、紫蘭にはどうしても自分の正直な想いが打ち明けられなかった。徳治帝はいまだに紫蘭が光徳帝を想っていると勘違いしている。
けれど、紫蘭にはどうしても自分の正直な想いが打ち明けられなかった。徳治帝はいまだに紫蘭が光徳帝を想っていると勘違いしている。