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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第3章 偶然という運命の悪戯
 更に現在では、皇帝だけでなく一般の貴族や庶民も男性が好きな女性に求婚するときは簪を贈るのがならわしになっていた。そして、女は婚礼を挙げた翌朝には、良人となった男にそれまで降ろしていた髪をあげて貰い、贈られた簪を挿す。それが女性の結婚したという証にもなるのだ。
 男の科白はそのような背景があった。芳華は即座にその言葉を切り捨てた。
「冗談でしょ、私はどれだけお金を積まれたって拝み倒されたって、皇后になんかなりません!」
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