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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第13章 後宮艶夜*スキャンダル 嫉妬~心に巣喰う魔物~
紫蘭にとっては赤児の産着を縫うのは造作もないことだ。なので、今日は産着に控えめな刺繍を入れてみた。刺した花は紫蘭。別に意図したわけではないが、気がつけば選んだ花は紫蘭になっていた。
そこに筆頭宮女が顔色を変えて飛び込んできたのだ。紫蘭は刺繍道具もそのままに裳裾を蹴立てるようにして星辰殿へと赴いた。
皇帝の寝所の雰囲気は重かった。側につきっきりの侍医は沈鬱な表情で控えている。時折、皇帝の脈を診てはますます難しげな顔になった。
そこに筆頭宮女が顔色を変えて飛び込んできたのだ。紫蘭は刺繍道具もそのままに裳裾を蹴立てるようにして星辰殿へと赴いた。
皇帝の寝所の雰囲気は重かった。側につきっきりの侍医は沈鬱な表情で控えている。時折、皇帝の脈を診てはますます難しげな顔になった。