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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第13章 後宮艶夜*スキャンダル 嫉妬~心に巣喰う魔物~
その日から紫蘭の懸命な看護が始まった。もう大切な人を亡くしたくないという一心だった。朝から晩まで食事も取らず、皇帝の側に付き添い、看病する皇后の姿が見られた。
刀傷は思いの外深かった。刃が内臓まで達し著しく損傷してしまったのである。そのため傷が化膿して高熱を発した皇帝の汗を拭き、冷たい水に浸した手ぬぐいを額に乗せる。汚れた夜着はこまめに取り替え、清潔を保った。