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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第3章
「リーヴっ! お願い、中はいやっ! 口でするから……っ 舐めるからっ お願い――っ」
四つん這いのまま振り向いたヴィヴィが、必死にそう懇願する。
試合前でも無い為、ピルなんて飲んでいる筈も無く。
リーヴの様子からも、避妊具を持っている気配すら無い。
挿れられるのは勿論 嫌だが、
こんな人に中に出されるなんて、絶対に絶対に嫌だ。
「お嬢様が、私のものを……?」
「お願いっ お願いだから……っ!」
ヴィヴィの必死の懇願は功を奏したらしい。
「分かりました。但し、残念ですが咥えないで下さいね。噛み千切られそうだ……」
男の急所とも言うべき場所。
そこに歯を立てるなんて、ヴィヴィは思い付きもしていなかったが。
そう言い渡した男は、うつ伏せのヴィヴィを拘束した両腕を掴んで起こし。
己は広いベッドの上に膝立ちになった。
28歳のリーヴのものは充血して赤く染まり、少し斜めを向きながらも完全に勃ち上がっていた。
匠海以外のそれなど見た事も無いヴィヴィの、目頭がじくりと痺れ。
零れ落ちたのは、大粒の涙。
リーヴに両肩を掴み上げられながら、這わした舌。
鼻腔に届くのは、たぶん、自分の下着の柔軟剤の香り。
一瞬そこに、辛過ぎる現実から逃避する術を見出そうとしたが、
やはり舌に感じるのは、生々しい 薄い皮膚越しの硬いもの。
「そう……。舌全体を使って……。とても、気持ち良いですよ」
涙が止まらなかった。
ぐっしょりと泣き濡れた頬に張り付く、乱れた金の髪。
時折それを拭う指先は、自分の愛している男のものではない。
(……おにい、ちゃん……)
大きく口を開いて舐め続けるのは、咥えていなくても顎の疲れる作業で。
己の上・下の歯に舌が当たるのも、どんどん辛くなってきて。
けれどその屈辱的な行為でしか、今の自分を守れなかった。
なのに、何故だろう。
リーヴに嫌々ながら奉仕を施しているのに、
小さな頭の中に過るのは、
ある日の兄の、暖かな言葉ばかりで――。
『はぁ……。なんと言えばいいんだろう……。
男にとって、いや俺にとって、
ヴィクトリアにされるフェラって特別でな?』