この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第3章
「はぁ、すごい締め付け……。ヴィクトリア。お兄ちゃんの指、折れてしまうよ」
兄の囁きも耳に入らず、とうとう両腕で顔を隠してしまったヴィヴィ。
(も、ダメ……っ お兄ちゃんの指で、イ、イっちゃうよぉ……っ)
今は、クリトリスへの刺激は止められているが、
次に撫でられた途端に達してしまいそうなほど、ヴィヴィは切羽詰まった状態に陥っていた。
「おや、可愛い顔が見えなくなった。じゃあ、ヴィクトリアのちっちゃなここ、舐めちゃおうかな?」
「だ……、だ……め……っ」
弱々しく声だけで抵抗するヴィヴィ。
「駄目? じゃあ、顔を隠すの辞めようか」
「や、やぁ……っ」
羞恥と快楽で訳が解らなくなってきたヴィヴィは、何もかも嫌だと突っぱねるしかなくて。
「じゃあ、選ばせてあげよう。顔見られながらイっちゃうのと、クリ舐められながらイっちゃうの。どっちがいい?」
「どっち、も、やだぁ~~っ! お、にぃ、ちゃんの、馬鹿ぁ~~~っ」
そう掠れた声で叫んだヴィヴィは、泣き出す寸前だった。
と言うか、何なんだその選択肢は。
「ここで辞める」という、あるべき筈の3番目の選択肢は何処へ行った?
「ふうん……。なるほどね。俺、よっぽどお前に嫌われてるんだな……」
少し凹んだ様子で零した匠海は、意外にも呆気無く、妹の膣から2本の指を引き抜いてしまった。
やっと甘い責め苦から解放されたヴィヴィはというと、
羽毛布団の上でくたりと弛緩していた。
(よ、良かった……。こ、これくらい? なら、せ、セックスにはカウントされないよね……?)
達する寸前で放り出されたにも関わらず、今のヴィヴィにとってはその事実の方が重要で。
きしりとスプリングを軋ませてベッドから降りた兄は、そのままベッドルームから出て行ってしまった。
流石に、こんなに「イヤイヤ」ばかり言う女に、愛想を尽かしてくれたのだろう。
「………………」
静かになったベッドルームに放置されたヴィヴィは、微妙な面持ちでしばし横たわっていたが。
こうしている間に、兄が心変わりして戻って来ないとも解らず。
なんとか拘束されている両手首を解こうと、バスローブの紐の結び目に白い歯で噛み付いた。