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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第1章  

 ちょうど1日目が七夕であった事より、バックヤードには笹が飾られていて。

 もちろんヴィヴィは見つけた途端に飛んで行って、願い事を短冊にしたためていた。

「ヴィヴィ、何て書いたの~?」

 この番組のサポーターとして活躍している、プロスケーターの村下 佳菜子が、ヴィヴィにハンディーカメラを向けてきて。

「ふふ。 “佳菜子ちゃんが 現役復帰してくれますように!” って」

 書き終えたヴィヴィが、にやりと嗤いながらそう言えば、

「え゛ぇ~~。もう無理~~」

 現在30歳の村下は、死にそうな声を上げた。

「あはは、冗談。えっと “笑顔いっぱいのシーズンになりますように” って書きました~」

 細長い和紙で作られた短冊を、カメラに向けたヴィヴィ。

「いいね! ヴィヴィには笑顔が一番だよ~♡ あ、アディオン! こっちおいで~」

 ちょうど滑り終わったらしい、ロシアの男子シングルの選手が通り掛かって、

『何? これ?』

 ロシア語でヴィヴィに問うアディオン・ピトキーエフに、手短にロシア語で七夕の風習を説明すると。

 アディオンもさっそく、短冊に何やら書き始めた。

 27歳のアディオンの頭を上から見ていると、驚くほどの剛毛――いやフサフサ感に見惚れてしまう。

「ヴィヴィ、何て書いてあるの?」

 通訳を求めてくる村下に、ヴィヴィは「ん~と……」と呟きながら、端正なキリル文字を覗き込み――。

「………………」

「ヴィヴィ?」

 何故か短冊を見つめたまま無言のヴィヴィに、村下がカメラを向けてくる。

『ほら、ヴィヴィ、日本語に通訳してよ?』

 書いた本人は、短冊をヴィヴィの目の前にぴろりと垂らし、にやにやと嗤っている。

 “Я хочу быть любителем Виктория”

 短冊にしたためられたその “願い事” とは、

「 “ぼ、僕は……” 」

 しどろもどろに通訳を始めたヴィヴィに、

「僕は?」

 そう村下が先を促すが。

『……~~っ ア、アディオン、嘘 書かないでよぉ~~っ』

 両拳を握り締めてロシア語で詰め寄るヴィヴィに、

『嘘じゃないさ。僕は本当にそう思ってる』

 そんなまさかの返事を返してきたアディオンは、白い頬を色気たっぷりに緩めてきた。

「……――っ!?」

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