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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第5章
「誰といても何処にいても何をしていても、俺が欲しいのは、ヴィクトリア」
頬に温かさを感じ、それが掌で包まれていると分かり、
「ヴィクトリアも、そうだと言って?」
「……~~っ」
どこにも逃げ場を見出せなくなったヴィヴィ。
柔らかな檻の中、己の崩落の音を聴いていた。
『もう、無理強いしたくない』
『ヴィクトリアが俺のことを「欲しい」と思ってくれるまでは、抱かないと決めた』
たった3日前に言われたその言葉も、随分と昔の事のように感じて。
「ヴィクトリア……っ 挿れたい……。お前の奥を、俺ので突き上げたいっ」
未だ亀頭だけを妹の中に残し、我慢し続けている兄の苦しみは、手に取るように解るけれど。
「……駄……目……」
自分が兄を抱くのは良いの。
「お願いだよ、俺を欲しがって」
でも、兄が自分を抱くのは駄目なの。
「やめ、て……、お、願い……」
だって、そうじゃないと。
「ヴィクトリア……」
そうじゃないと、こんなのって――
「あ、もぅ、だめぇ……っ」
哀しそうに縋ってくる兄の瞳にさえ、
ヴィヴィの躰はあまりにも素直に反応し。
「……くるし、い……助けて……っ」
浅いところに咥え込まされた、匠海の凶暴なもの。
「ん?」
短く問うてくる色気を滲ませた声にさえ、子宮がしくしくと啼いていた。
「おくぅ……」
「奥?」
「~~っ いぢわる、しなぃ、でぇ」
ここ3日間。
一方的に兄を振り回し、弄んでいたくせに、
そんな現金な物言いをするヴィヴィを、匠海が赦してくれる筈も無く。
「ちゃんと言葉にしてっ」
そう続きを促す兄の声にも、焦燥が滲んでいた。