この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第6章     

 屋敷に戻った双子はそれぞれ湯を使い、揃ってランチを摂り。

「昼寝……」

 眠そうなクリスはそう呟きながら、2階へと上がって行った。

 一方のヴィヴィは、

 双子のマネジメントを請け負っている、ING LONDONのマネージャーから渡された、ファンレターに目を通す事にした。

 屋敷の右奥に位置するライブラリー。

 大きなソファーに両脚を投げ出せば、美しく整えられたイングリッシュガーデンの裏庭が望め。

 その場で、先週の1週間だけで寄せられたという、50通超の手紙を開封していく。

(ん~……なになに……。

 「ヴィヴィちゃんに笑顔が戻って、とっても安心しました。

  あの弾けんばかりの笑顔を目にするだけで、私も嬉しくなって。
 
  受験頑張るぞ~っ! ってなれるんです」

 ……まあ、可愛い♡)

 今回は好意的な手紙が多かったようで、小さな顔に にまにま笑みを浮かべながら、読み進めていると。

「お嬢様、紅茶をお持ち致しました」

 全く気配を感じさせず傍に寄った朝比奈に、柔らかな声で食後の茶を進められて。

「あ……。ありがと~」

 キーマンとアッサムをベースにし、クロスグリが加えられた紅茶は、プリンス オブ ウェールズ。

 蘭の花に似た高貴な薫りを愉しみながら、また手紙を貪り読み始めた主に、

「お嬢様……? それはもしや、ファンレターですか?」

 執事は封筒の小山に視線を送りながら、そう確認してきて。

「え? あ……、うん」

 便箋から視線を上げれば、

「私はまだ、目を通しておりませんが?」

 不思議そうに尋ねてくる、朝比奈の姿があって。

「あ~……。そ、だねえ」

 歯切れ悪くそう零したヴィヴィは、「しまった」という表情を浮かべ。

 恐るおそる己の執事から、視線を外す。

「もしや前任者は、ファンレターのチェックは、していなかったのですか?」

 朝比奈の鋭い確認に、

(あ~……、やっちゃった……)

 ヴィヴィは胸の中で頭を抱えるも、時 既に遅し。

/1163ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ