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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第6章
「えっと~。今の両親と本当の両親は、凄く仲が良くて、家族ぐるみのお付き合いをしてたのね? んで、本当の両親が、事故であの世に旅立っちゃってさあ~」
両手の人差し指を立てながら、身振り手振りで関係性を説明する親友の姿。
「……マドカ……」
「そんで、真行寺の親族会議で「誰が円を引き取るか?」ってなった時、ご親切に “今の両親” が立候補してくれたって訳よ」
にっこり笑いながら、説明を終えた円に、
「……そう、だったんだ」
まだ驚き冷めやらぬヴィヴィはというと、そんな ありきたりな相槌しか打てず。
「まあ、今のママ。お兄ちゃん産んでから、子宮全摘出しちゃったから。もう子供作れなかったし?」
「そう……」
「あははっ そんなショック受けた顔するな~」
からっと笑い飛ばしながら、目の前の金色の頭に、ぽかりと拳骨を落としてくる円。
「あ、ごめんっ ショックというか、ただ驚いただけ……。
だって、本当に円の家族、仲良いから。
全然まったく一度も、そんな風に思ったこと、なかったんだ」
だからヴィヴィだって「円は ご両親のどちらとも、あんまり似てないね?」なんてこと、さらっと言ってしまった訳で。
「そ? 私すっごく可愛がって、育てられたからねえ~。今の両親は、女の子も欲しかったらしくて。お兄ちゃんも兄弟が出来て、めっちゃ喜んでたし」
昔を思い出してか、にっこり満面の笑みを浮かべる親友に、
「そっかあ。ふふ、良い家族だね?」
ヴィヴィも笑顔のお裾分けを頂いて、ふにゃんと頬を緩めた。
「うん。自分で言うのもなんだけど、本当に “良い家族” なの。だから……」
「ん?」
言葉を途切れさせた円に、短い相槌で先を促すが、
「ううん。何でもない」
そう言って笑った円は、「ふわわわ~っ」と、大きな欠伸を放った。
その時、
♪世界~中 どこだって
笑いあ~り 涙あ~り
みんな~ それぞ~れ 助け~合う
小さな世界~♪