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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第6章
動画サイトで彼女の映像を観たヴィヴィが、驚嘆したのがきっかけだった。
米国コロラド州のアイスキャッスル(何千もの氷柱から出来た氷のお城)の中。
全身で踊りくねりながら、ヴァイオリンを掻き鳴らすリンジーに、思わず、
「すご~~っ!」
そしてすぐさま、自分も同じように踊りながら、ヴァイオリンを弾いてみたが。
勿論 上手くいく筈も無く、またまた、
「すんご~~いっ!!」
ただ、彼女はその時の気分で、踊り狂いながらヴァイオリンを奏でるので、
ヴィヴィからしたらリンジーに合わせ、ほぼアドリブで演技を熟すことになる。
よって、夜公演の4回限定で実現する事になった、2人の共演。
滑り止めの着いたブーツを履き、氷上で個性的な踊りと、素晴らしい演奏を繰り広げるリンジーに合わせ、
ヴィヴィはジャンプし、スピンし、同調しつつ、かつ、彼女を引き立たせながら踊りまくり。
結果、周りの評判は素晴らしく良かったが、当のヴィヴィの消耗度たるや半端なく。
「も、もう やりたくない……。精神的・肉体的に、しんどいです……orz」
そんな、情けない弱音を吐いていたのだった。
そして、8月30日(水)のロンドン初日、夜公演を観に来てくれた真行寺兄妹は、
「凄く素敵だった。皆それぞれの演技に感動して、鳥肌立ったよ」と、太一が。
「双子のタンゴ、鼻血出るかと思った (*゚∀゚)=3 ムハー」と、円が。
それぞれの感想を残し、翌日の飛行機で東京へと戻って行った。
そんなこんなで、前半のロンドン公演の最終日。
市内の日本料理店を貸し切った出演者・関係者一同は、2日間4公演の慰労会を行っていた。
デニムのビスチェに、黒の膝丈チュールスカートを纏い、会場に現れたヴィヴィ。
周りから、
「わあ、ヴィヴィ、キュート♡」
「お。ヘルシー! いいね」
そう褒められ、改めて自分の身体を見下ろせば。
貧相な胸の真ん中、縦に伸びたファスナーがポイントの、ベアトップ型のビスチェ姿は、
確かに「ヘルシー」だった。