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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第6章     

(要するに “色気は皆無” って訳ですな? とほほ……orz)

 今更ながら そんな泣き言を唱えながら、クリスと2人、主催として会を盛り上げる事に専念した。

「日本酒、初めて飲んだ。ライス・ワインと言うだけあるね。キンと冷やした白ワインに近い味」

 ロシアのアレクサンドル・ペトロス(24)は、シュッとした頬を緩めながら、満足そうに頷いていた。

「いつも、40~50度のウオッカ呑んでる、アレクサンドルには物足りない?」

 同じくロシアのマリア・ソココワ(21)は、柔らかい印象の細い眉の下、可愛らしい瞳を細め、

 隣のヴィヴィ同様、おちょこに注いで貰った冷酒を、ちびちび舐めていた。

「まあね。あれ、アンは呑まないのか?」

 アレクサンドルは隣のヴィヴィアン・リー(米国・21)の琥珀色のグラスに視線を移すが、それはどこからどう見てもコーラで。

「私、お酒 全然駄目なの。なまじ呑めそうな顔に見られるから、大変よ」

 少し釣り目でしっかり者の姉御肌だからか、確かに酒豪感満載のヴィヴィアンは、肩を竦めていた。

「そっかあ。てか、このテーブル “21歳女子” ばっかり集まっちゃったね?」

 呑み慣れたシャンパンを傾けながら、ヴィヴィが発すれば、

「じゃあ、21歳トリオで写真撮ってあげよう」

 隣のテーブルに座っていたアルフレッド渋谷が、スマホを向けてきて。

 散々写真を撮って貰った、3人娘。

 「ふ、ふ、ふ。この3人の共通点は、21歳と言うだけじゃないのだ~」と、ヴィヴィが切り出せば。

 「そうよ。なんたって私達3人は――」と、マリアが続け。

 「根っからの 浅田真緒ファン❤」と、ヴィヴィアンが締め括り。

「「「ってことで、真緒ちゃ~~ん、写真撮って下さ~~い♡♡♡」」」

 奥のテーブルで、ハビエル・フェルナンデシ(スペイン・32)と、振付師の宮田賢二と しっぽり呑んでいた浅田に、ロックオンした3人娘は、

 黄色い声を上げながら、小さな頃からの憧れのスターのところへと飛んで行ったのだった。

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