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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第6章
エルダーフラワー に ネトル。
その他 身体を温めて癒してくれる、6種のハーブの香りを深く吸い込み、ほうと息をつけば。
いつの間にか冷え固まっていた心が、少しだけ解れて。
こくりと飲み下せば、更に身体に暖かな力が漲った。
けれど、
灰色の瞳に浮かぶ、心細そうな おどおどした色だけは、一向に消える事は無く。
自分の頼りない両腕で、己の身体を抱き締め。
湧き上がる負の感情を、ただただ やり過ごす。
「………………」
匠海と離れて、20日経った今――。
今夜ほど、あの逞しい胸に抱き締められ、
「もう、大丈夫だよ。ヴィクトリア」
そう甘やかして欲しいと、切に願った日は無かった。
※この物語はフィクションであり、
登場する団体・人物などの名称は
すべて架空のものです。
例え、似た名前の人がいようとも(笑)