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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第7章
TWI出演者達と揃って朝食を摂った双子は、早くにエディンバラを経つ面々をホテルで送り出し。
自分達もホテルをチェックアウトすると、残りの選手達とエディンバラ空港からロンドン・ヒースロー空港へ移動した。
「次に会えるのは、ん~~、ローレンとはOpera On ICE(イタリア)かな?」
「だね~。あと、双子とは エリック・ボン・パール(GP・フランス杯)でも一緒だね~」
パリ行のフライトで別れる、ローレン・レカヴェリエ(フランス・25)と手を取って別れを惜しんだヴィヴィ。
「日本のメンバーとは、NHK杯……?」
そう呟いたクリスが、渋谷兄妹、下城・成田組と、再会を誓って軽くハグを交わし。
「じゃあ、またね~~っ!!」
「お元気で……」
世界各国に戻って行く選手達を、双子はきっちりお見送りしたのだった。
皆の姿が見えなくなり、ほっと肩の荷を下ろしたヴィヴィ。
「ヴィヴィ、お疲れ様……」
クリスの労いの言葉に、
「クリスこそ、お疲れ様~。いやあ、色々と初めて尽くしだったけど、クリスがいてくれて心強かったよ」
ヴィヴィも にっこり微笑んで、双子の兄を労った。
「朝比奈が、ロータリーで待ってるって……」
「うん。じゃあ、オックスフォードに戻りますかぁ~。ふわわ、今日はレッスンお休みだし、ゆっくりしよう~」
スーツケースと荷物を乗せたカートを各々押し、移動しようとした、その時。
♪世界~中 どこだって
笑いあ~り 涙~……♪
斜め掛けしていたポーチバックから、微かに漏れ聞こえた音楽に、
ヴィヴィは咄嗟に手を突っ込み、スマホを取り出した。
カートを押す手を止め、先を歩くクリスに見えないところで、メールを開けば。
Title:ロンドンのホテル
Letter:
もうそろそろ、ロンドンに着く頃かな?
41 HOTEL の 503号室 にチェックインしたよ。
場所はバッキンガム・パレス・ロード。
バッキンガム宮殿の目の前だね。
待ってる。
予想通り、匠海からの今夜の宿を知らせるメールだった。