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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第9章       

 たった1度の交わりに、

 足りない足りないと、心と躰が泣いていた。

 根元までほぼ銜え込まされた兄のものに、膣口がひくひくと、物足りなそうに咽び泣き。

 そして、

 そんな自分を宥める様に、逞しい両腕が力強く抱き寄せてくれていた。

「もうちょっと、だから」

「……ん……」

「NHK杯、終わったら……な?」

「うん……」

 そう囁いてくる匠海の声は、兄自身にも言い聞かせているようだった。

「今日、ありがとうな……? ヴィクトリア。愛して――」

「好きっ」

 兄の声を遮る様に、咄嗟に咽喉から飛び出した言葉。

「……だぃすき……」

 匠海とよりを戻してから、きちんと素直に自分の気持ちを口にしたのは、

 この時が初めてだったかも知れない。

「……俺もだよ」

 首に縋り付いたまま、逞しい胸に顔を埋め、小刻みに震えるヴィヴィを、

 匠海は繋がったまま、ずっとあやしてくれて。

 そして、その数分後。

 華奢な肢体を襲っていた、震えが消えた頃。

 兄の暖かさに包み込まれていた妹は、既に夢の中に旅立っていた。

「……やっぱり、疲れてるんじゃないか」

 嘆息交じりに囁いた匠海は、己を慎重に抜き取ると。

 妹を起こさぬ様、細心の注意を払いながら、

 己の精を受け止めた躰を、清め始めたのだった。






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