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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第9章
現地入りした翌日――10月5日(木)
大阪 なみはやドームでは、14:00から男子の前日公式練習が。
そして15:40からは、女子が行われていた。
ペアの成田・下城組に帯同している、ジュリアンもこっそり見守る中、
SPの音掛けでは、3つのジャンプ要素、全てを完璧に降りたヴィヴィ。
結局、5度試みた3回転アクセルは、成功3回・両足着氷1回・パンク1回。
ショーン・ヘッドコーチと相談の末、SPは当初の予定通り、冒頭のアクセルを組み込む構成に決定した。
そうして迎えた、ISUグランプリシリーズ初戦・NHK杯。
1日目――10月6日(金)
14:45から、ペアスケーティングのSPがスタートし、
16:15からは、女子シングルのSPが、予定通り執り行われていた。
「さて、これまで8名滑り終え、現在の順位を纏めますと、
第1位 ロシアの新生15歳――リーザ・マグノワ
第2位 竹内 粋(スイ)(21)
よって、日本の 本田 まりな(23)は、第4位ということになりました。
そして いよいよ、最終滑走者の登場です」
刈谷アナウンサーの説明が続く映像には、リンクサイド、
ショーン・ニックス――双子のお爺ちゃんコーチからのアドバイスに、素直に頷くヴィヴィが映し出されていた。
『9番 篠宮ヴィクトリアさん 日本
――No.9 Represented JAPAN Victoria Shinomiya』
場内アナウンスの声に導かれるように、大きくひとつ頷き。
ぽんぽんとその場で軽く跳ねたヴィヴィは、リンクへと向かってゆっくりと滑り出した。
「大阪なみはやドームの、大歓声に迎えられます。2年ぶりとなりますNHK杯。昨年が不出場であった為、NHK杯 優勝は5連覇と途絶えました。それでも帰って来てくれた日本のエースに、沢山の期待が寄せられています」
―――――
※ヴィヴィは15~19歳の5年出場・5連勝
20歳の昨シーズンはカナダ杯とフランス杯へ出場