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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第11章
「ヴィヴィちゃん出てくれると、いっつも視聴率高くて。ホント助かるよ~」
あの手この手で自分を持ち上げてくる相手に、冷静に頭の中で反論しながらも「いえいえ、そんな」と、日本人的に謙遜しながら場を誤魔化す。
「ヴィヴィ、先行ってるね……」
傍で待っていてくれたクリスが岡プロデューサーに会釈し、他の選手達と控室へ戻ろうとした。
その時、
「あ! 待って待って。実は男子の3人にも用があったんだ~。僕、ヴィヴィちゃんファンだから、本人目の前に舞い上がっちゃってね。あはは~」
笑いながら呼び止めた岡に、男子シングルの島田と西森、そしてクリスが向き直る。
「え? 何でしょうか?」
不思議そうに首を傾けたヴィヴィに、プロデューサーが続けたのは “ある番組の企画” だった。
男子シングル――
島田 高四郎
西森 真瑚(シンゴ)
篠宮 クリス
女子シングル――
川畑 トモエ
竹内 粋
篠宮 ヴィクトリア
上記、日本の第一線で活躍する6選手は、偶然にも皆が同年の21歳。
それぞれ幼少の頃から試合や合宿等で、交流がある間柄。
その同い年の戦友達で、是非とも “6名での旅番組” をスペシャル2時間番組で出来ないだろうか?
――という、驚きの番組企画だった。
勿論みんな驚きの声を上げ。
そして、各々の練習拠点がバラバラな為、中々ゆっくりと食事したりする機会が無いのを残念に思っていたらしく。
「オフシーズンなら、いいよ。楽しそう!」
丸顔を更に丸くした島田が、そう乗り気になり。
「俺も。トモエも粋も、絶対 喜ぶって」
シュッとした一重の瞳を更に細めながら、西森が頷く。
「行きたいっ 行きたいっ!」
早くも旅行へ行く気満々のヴィヴィ。
更には、
「温泉希望……」
と、具体的な行先まで告げてしまったクリス。