この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第11章
だが、その30分後――
ヴィヴィの姿は予約していた26階の客室ではなく、その遥か上の49階――コンシェルジュ・フロアにあった。
レースカーテンの遮りさえ無いガラス窓の先、広がるのは200万人都市の夜景。
クリスマスツリーが飾られたリビングスペースには、脱ぎ散らかしたままの2着のスーツ。
そして、
黒のパンプス。
革ベルト。
グレーのベスト。
それら点々と散らばる指標を頼りに廊下を進めば、暗闇の落ちたベッドルームに辿り着く。
ぐちゅぐちゅと淫秘に響く、あられもない姫鳴り。
そして、バツバツと肌を打ち付け合う音。
「ふ……ぁっ やぁ~~っ も、イッちゃ――」
金の頭を乗せた羽枕を両手で掴んでいたヴィヴィが、切羽詰まった嬌声を上げれば、
その細腰を掴み上げていた男が、にやりと意地悪く嗤った。
「こら。そんなに高い声で啼いたら、コンシェルジュに聞かれちゃうぞ?」
「……~~っっ!?」
弾かれた様に枕から両手を離し、口を覆うも。
弱い膣裏を丹念に擦られれば、細い指先の間から零れ落ちる甘ったるい声。
「ぁんっ あ、やらぁ……、ま、待っ」
(やんっ 声、出ちゃうよぉ……、そんな、ゴリゴリされたらっ)
口許を押さえながら、イヤイヤと首を振るヴィヴィの両手を、苦笑した男が包み込む。
「ふ。冗談だよ。ヴィクトリアのこんな愛らしい声、俺以外には絶対、聞かせたりしないから」
切れ長の瞳を細めたその人――匠海は、愛おしそうに指先に口付けを落とすと、大きめの唇でにっと笑み、
「だから、もっと感じてごらん?」
そんな恐ろしい言葉と共に細い両手首を掴むと、そのままガツガツと突き上げ始めた。
「ひぁっ!? あっ ダ、メぇ……っ ぁ、アっ ぁあ……っ」
力なく開脚した細い両脚の間。
手首を支点として腰を振る兄の姿は、あまりにも刺激的だった。