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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第13章

テーブルの上にぐったりと突っ伏したヴィヴィ・バニーの頭の中は、
「終わった……☠」――の一言に尽きた。
散らばったジェンガを掻き集める匠海を手伝う気力も無く、そのまま脱力していると、
「俺、一体 何勝したんだろうな~~?」
「……――っ」
「こんなにおまけしてあげたんだから、何かしらの見返りは期待してもいいよな~~?」
昔の男の前でこんな屈辱的な格好をしているというのに、まだ見返りを求めるというのか。
「こ、これ以上なにを……」
突っ伏していた頭を少しだけ持ち上げ おどおどと問うた妹に、兄が寄越したのは、
これまたとんでもない “見返り” だった。
「 “だっこ” させて――?」
「可愛いな」
「見るな」
「見ちゃダメなのか?」
「却下」
「そう? こんなに愛らしいウサギさんなのに?」
甘い声音でうっとりと囁きかけてくる男に対し、そのでら長い両脚の間に強制的に鎮座させられている女はというと、
フードに隠れて見えぬ耳まで真っ赤にし、華奢過ぎる身体をこれでもかと小さく縮こまらせていた。
物心付いた頃からの己の定位置――匠海の股の間とはいえ、
二度も手酷く裏切られた昔の男にそれを強要させられるなんて、屈辱以外の何物でもない。
ないのだが――
指一本触れる事無いが、股の間に こじんまりと横座りしている者に対し、
その顔のすぐ傍で話し掛けて来られれば、きっと誰だって赤面&冷や汗ダクダク状態になると思う。
「旅行は楽しかった?」
どうやって妹が旅行に行った情報を掴んだのか。
一見 薄ら寒さを覚えそうなその問いにも、
この状況に一杯いっぱいながら、健気に “敗者の役目” を果たすヴィヴィは気付くことは無く。
(~~~っ こんな恰好のまま、普通に喋れるかい……っ)
ショートパンツから剥き出しの両脚を庇い、こちらもノースリーブから丸出しの両腕で抱き締め、
三角座りした両膝の間に、熱を帯びた顔面を押し付ける。

