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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第14章        

 頭の中が一瞬、眩い光で真っ白に染め上げられる。

 絶頂を迎えている最中に倫理を説ける人間など この世に存在するだろうか?

 一緒に達することは無かったが、腰の上で快感に打ち震える妹を見上げた兄は、

 その残酷な天国を長く味あわせようと、口内に銜え込まされた指を執拗に舐めしゃぶっていた。

(すご……、ぁあ、きもちぃ……っ ムカつく、こんな酷い男の、なの、に……っ)

「ぃい、よぉ~~っ ぁ、はぁ……ん、 ん~~、ンぅ~~~っ!!」

 陰茎に纏わりつき「もっと頂戴」と強請る、肉ひだ1つ1つによる強欲な締め付け。

 妹の膣の具合を うっとりと味わう匠海の、その怠惰な貌に、

 きっと自分も同じ表情を浮かべているのだと思うと、いっそう子宮が収縮した。



 禁忌を犯すことはこんなにも簡単で

 ただ指一本差し出すだけで、潤んだ瞳を向けるだけで

 あまりにも呆気無く、踏み越えてしまう

 この長年の自分の苦しみなど全て無意味だった――

 そう辱められていると感じてしまうほど

 肌を重ねることは簡単で

 繋がることは容易で

 罪を重ねることは赤子の手をひねるように易い



 例えそこに

 恋愛感情が無かったとしても――




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