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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第14章
どうやら気をやってしまっていたらしい。
ふと気付けば、革ソファーのやや固い感触とは異なり、寝心地の良いベッドの上に横たわっていた。
うっそりと寝返りを打てば、すぐ傍にいたらしい匠海がこちらを振り返りベッドに登ってくる。
腹筋に付きそうなほど猛ったものは、半透明のゴムを纏っていた。
昨夜もそうだった。
幼女を演じるヴィヴィが懇願しても、兄は決して膣内で射精することは無かった。
『ヴィヴィ、ピルなんて知らないだろう?』
と、あくまでも無知な幼い妹に対する態度を、貫いていた匠海。
トロンと蕩けた眼差しで見上げる妹に、兄は愛おしそうに口付けを落とし、抱き締めてきた。
逞しく鍛え上げられた筋肉の檻の中、ヴィヴィは昨夜と同じ懇願を口にする。
「ピル、飲んでるの」
「うん。そうだね」
「試合とショー、続いてたから……」
「ああ、来週もアイスショーだもんな」
妹のスケジュールなど把握済みらしい兄は、そう続けながら金の頭をなでなでしてくる。
薄い腹に押し当てられた太いものは、炎で焼いた鉄杭の如く熱く、硬さを増しているというのに。
「だから、そんなの、しないで……?」
意地の悪い匠海は、そこまでヴィヴィに言わせると「ふっ」と笑みを零し、
抱き締めていた妹ともども、ゆっくりと上体を起こした。
長い脚を折り畳み胡坐をかいた男と、
その目の前にぺたりと座り込み、先程まで自分を狂わせていた淫具に視線を這わせる女。
「じゃあ、ヴィクトリアが外して?」
どこまでも相手に選択を委ねる狡い男に、女は若干 恥ずかしそうに、
けれど従順に、兄妹を阻む邪魔な避妊具を、根本からくるくると巻き取っていく。
最後には摘まみ上げたそれを、忌々しげにベッドの外へと放ってしまった。
「おいで――」
新たな禁忌を呼び込む悪魔の囁きに、魅入られたヴィヴィは うっとりと胡坐の上に腰を落とし、
そして匠海の助けを借りながら、再びあるべき場所にあるべきものを受け入れていった。